House-H

House-H

一戸建ての住宅・3階建て・鉄筋コンクリート造
愛知県名古屋市
2019年3月 竣工
意匠設計(共同設計):今津修平+小坂田雄介+北川浩明
構造設計:tmsd 萬田隆構造設計事務所
撮影:小坂田雄介、北川浩明

夫婦と2人の子どものための住宅である.

敷地の北側と南側がそれぞれ道に面し、東西の両側はすぐそこまで隣家が迫るという環境にあって、クライアントが強く求めたのは風水を考慮することと、プライバシーとセキュリティ──すなわち外に対して過剰に開かないことであった.また、風水の考え方では建物中央部の欠けは特に禁忌とされているため中庭形式も避けねばならず、2階の大部分を占めるリビング・ダイニングルームをいかに閉塞感のないようにするかが課題となった.

ここでは、3層を貫く階段室の2階・3階部分にわたって連続する大開口を設けることで、通常は家の奥にありがちで表舞台にならない単純な垂直動線の空間をライトボックスとして扱うことにした.
つまりこれによって、リビング・ダイニングルームのプライバシーを守りながらも建物の奥まで間接的に柔らかな自然光を行きわたらせることを可能にし、また階段によって上下階への連続性を示唆することで垂直方向への拡がりを与えている.