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  • 倉敷-A

    一戸建ての住宅
    岡山県倉敷市
    2018年5月 竣工
    設計(共同設計):今津修平+小坂田雄介+北川浩明
    施工:イチエ建匠
    撮影:小坂田雄介

    倉敷市役所から徒歩15分ほどのところに広がっていた農地を宅地に転換した開発地の只中に建つ住宅である。このできたての街を見渡すと、色や柄に多少の差異こそあれ皆サイディングの外壁の真新しい住宅と、その前にとめられているファミリーカー、まだきれいなアスファルトの道路といった変わり映えしない風景が目に映る。その周囲には、かつてからそこにある曲がりくねった細い道とか年季の入ったごく普通の住宅が敷き詰められている。特徴の描きにくい、どこにでもある住宅街だ。

    そんな環境にあるこの住宅は、敷地外部に対してはどちらかというと閉鎖的な外観をつくりながら、クライアントが大切にしているオリーブを植えるための中庭を囲うような平面形状とした。しかし、そこに向けてただむやみに開くというよりは、人・光・風といったもの動きや佇まいを想定しつつ壁/開口部それぞれの意味を吟味していった結果、中庭を介して向かい合う開口部は無く、一方で動線は中庭を回転中心として折り曲げられていくため、単純なプランでありながらも奥行感のある内部空間となった。
    さらにそれを強調するようにリビングスペースとダイニングスペースに挟まれる位置には丘をつくっている。半階あがった高さにある丘の上はこの家の中で天井が最も高く、主に子供たちが遊んだり勉強をするフリースペースである。1階と2階を媒介する中間的な場所であるが、それと同時に、家族にとっての中心的な場所となっていくことを期待している。