dima
  • 牧場の休憩室

    兵庫県神戸市
    2017年11月 竣工
    設計:今津修平+小坂田雄介+北川浩明
    施工:たかとり工務店
    撮影:今津修平+小坂田雄介+北川浩明

    神戸市郊外にある牧場の倉庫内にある従業員の会議スペース及び休憩室の改修である。
    広大な敷地には鉄骨造の牛舎や倉庫などが数多く建っている。それらはいわば「原始の小屋」のごとき潔い構造体そのものでありながらも、長い年月を経て初めて得られるであろう錆による着色や、何かの入り混じった埃をまとっており、他にない独特の深みをもった景観を形成している。
    そのような中に従業員休憩所を設けるにあたり、我々は新たにピカピカの建物を建ててしまうより、醸成されてきた景観と新たなものが渾然一体となるような形にすることで、風景に溶け込むような一部分をつくりたいと考えた。
    例示すると、倉庫の既存外壁の一部を撤去して庇と袖壁を外壁から突出させ、その内側に開口部を設けることで、古い建物と新しい内装が入り混じりながら動線や採光や通風を確保する内外のインターフェイスとすること/既存倉庫外壁の波板の風景を増設したテラスの手摺に転写すること/山のように積まれている餌の藁の姿を倉庫内部側の壁の意匠に引用すること――など、新たに付加されるものが見慣れた風景の中に混ざり、重なり合うことで、新旧の境界線を曖昧にすることを試みた。
    内部は会議スペースや更衣室、シャワールーム、休憩スペースからなり、倉庫の形状に合わせてLGSで形成している。特に大人数の集まる会議スペースは、屋根勾配を活かしたおおらかな空間としているが、茫漠とした空間になることを避けるために開口部の上端でわずかに明度を切り替えることでメリハリをつけている。