dima
  • Room 310 (Maiko)

    住宅(集合住宅) 鉄筋コンクリート造マンションのリノベーション
    兵庫県神戸市
    2020年4月 竣工
    設計:小坂田雄介
    施工:ムサシノ建築工房
    撮影:小坂田雄介

    リノベーションの計画の依頼を受けて現地に赴き、玄関ドアから中に足を踏み入れた瞬間、奥の窓の外に見えるのは青い水面だった。それはまるで船の中から窓越しに海を見ているような感覚である。
    約130㎡のこの広い住戸は当初5LDKに小間切れされている上に、旧来の防火区画のため鉄筋コンクリート造の非耐力壁が海側と反対の道路側を分割し、なぜか水周りも同様に囲われてしまっていた。そしてその海側はリビングダイニングと2つの和室+縁側であった。

    そんな状態から海側の不要な間仕切り壁を取り払い、明石海峡を望む大きな1室に変えることが、日常的に友人を招いて共にひと時を過ごす機会の多い海外出身のカップルであるクライアントの要望であり、実際にこの場所の魅力を最大化する最もシンプルな解であると思えた。
    とはいえおよそ80㎡にもなる海側の空間を字義通りの1室としてしまうことは用途の配分上無理があったため、海に面する東側をLDK、西側を主寝室のエリアとしながらも床、壁、天井の仕上げを揃え、障子を用いて分割と連続を両取りすることにした。
    また、海に面する建物躯体の柱・梁や壁はカバー工法で交換したサッシュと同じ黒色にすることで、窓の外の海やそこに浮かぶ船、日本で一番長い吊橋、対岸の淡路島や空をより象徴的に浮かび上がらせるとともに、絵画のフレームのようにそういった景観を取り込んでいる。